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理工学部 戸谷希一郎准教授らの論文が欧州科学誌『ChemBioChem』の "Very Important Paper (VIP)" に選ばれました

2017年 05月 15日

理工学部物質生命理工学科 戸谷希一郎准教授(専門分野:糖質化学、糖鎖生物学)のグループの「相補的な阻害剤による小胞体内の独立したマンノシダーゼ活性の選択的調節 (Selective Manipulation of Discrete Mannosidase Activities in the Endoplasmic Reticulum by Using Reciprocally Selective Inhibitors)」と題された学術論文が、欧州科学誌『ChemBioChem』に掲載され、"Very Important Paper (VIP)" として紹介されました。

戸谷准教授のグループは、新しく生まれる糖タンパク質の 1/3 が不良品として分解される現象に注目し、糖タンパク質の完成品と不良品の仕分けを制御する仕組みについて研究を行ってきました。これまでタンパク質上の特定の糖鎖(糖質の鎖)が、完成品や不良品の目印(シグナル)として利用されている可能性が指摘されてきましたが、それらのシグナル糖鎖がどのように作られているのかは、不明でした。
今回の論文では、シグナル糖鎖の産生に関わるいくつかの重要な酵素活性を、選択的かつ相補的に抑える化合物(阻害剤)セットを見出しました。さらに、これらの阻害剤を巧妙に使い分けて、完成品の目印と不良品の目印の産生経路を初めて解明しました。

アルツハイマー病や糖尿病などの多くの疾患は、不良品タンパク質が正しく分解されずに蓄積すると、発症に繋がることが知られています。
今回の結果は、不良品糖タンパク質を正しく仕分けする経路を解明したことに加え、不良品の目印となるシグナル糖鎖を選択的に産生させる化合物を見出した点が重要であり、今後、上記の疾患治療への展開が期待されます。

欧州科学誌『ChemBioChem』誌に掲載された紹介ページはこちら(外部リンク)

『ChemBioChem』は、化学的な手法で生命現象を解明するケミカルバイオロジー研究に関する国際学術専門誌です。